さて、前回の「ゼロから始めるジャズドラム」シリーズに続いて第2回目の記事ですが、今回も基本中の基本、スティックの持ち方、握り方=グリップについて書いていきたいと思います!
正しいグリップを身に着けることで、正しいスティックの振り方=ストロークができるようになり、ケガを防ぐことにもつながるので、ここはしっかり気を付けて練習していきましょう!
CONTENTS
マッチド・グリップとレギュラー・グリップ
グリップには大きく分けて2つの持ち方があります。
「マッチド・グリップ」と「レギュラー・グリップ」の2つです。
まずは「マッチド・グリップ」のほうから説明していくのですが、「マッチド・グリップ」の中にも3種類の持ち方があるので、その3つの持ち方から説明していき、そこから「レギュラー・グリップ」の持ち方、初心者にオススメの持ち方、などなど説明していきたいと思います。
「マッチド・グリップ」
まずマッチドグリップの特徴なのですが、左右対称の右手と左手で同じ持ち方をしたグリップです。
基本的には親指と人差し指で挟んで、中指、薬指、小指を添えるように持つのですが、手首の角度で呼び方が変わります。
「ジャーマン・グリップ」
まず1つ目は「ジャーマン・グリップ」です。
このグリップは手の甲が上を向くことが特徴で、主に手首の力を利用する持ち方です。
まず人差し指の第一関節(指先に近いほうの関節)と親指の腹の部分でスティックを挟むように持つのですが、持つ場所はだいたいグリップエンド(スティックの端)から4分の1~3分の1ぐらいの部分を持ちます。
そして中指、薬指、小指は軽く閉じて、スティックに添えるようにして持ちます。
右手のスティックの角度はだいたい時計でいう4時から5時の間(左手は7時から8時の間)の角度で持ってそのままスティックが縦にまっすぐ動くように振り上げて振り下ろします。
「フレンチ・グリップ」
2つ目は「フレンチ・グリップ」です。
こちらは手の甲が上に向かず、親指の爪が上にくる持ち方で、主に中指薬指小指でスティックの動きをコントロールします。
「ジャーマン・グリップ」と同じようにグリップエンドから4分の1~3分の1ぐらいのところを人差し指の第一関節と親指の腹で挟んで持ちます。
中指、薬指、小指は少し触れるぐらいに軽く握ります。
スティックの角度は時計の5時ぐらいで持ち、親指が上のまま中指薬指小指を軽く広げながら縦に振り上げそのまま振り下ろします。
「アメリカン・グリップ」
3つ目の「アメリカン・グリップ」は先ほど紹介した2つのグリップのちょうど中間のような持ち方をします。
手首の動きと指の動きの両方を使えるようにしたグリップです。
こちらも同じようにグリップエンドから4分の1~3分の1ぐらいのところを人差し指の第一関節と親指の腹で挟んで持ち、中指、薬指、小指は軽くスティックに添えるように持ちます。
ここまでは「ジャーマン・グリップ」と同じですが、「アメリカン・グリップ」では、親指と人差し指の隙間が上から見えるようにして持ちます。
スティックの角度は時計の5時ぐらいの角度で持ち、そのままスティックが縦にまっすぐ動くように振り上げて振り下ろします。
以上3つがマッチドグリップの持ち方です!
「レギュラー・グリップ」
続いてレギュラー・グリップなんですけど、ジャズドラムでよく想像される持ち方はこっちだと思います。
左右の手で違った持ち方をしているのがこのレギュラーグリップです。
(レギュラーグリップをしているだけでドラムがうまそうに見えるのは気のせい)
右手はマッチド・グリップのままで左手が違う持ち方をしています。
左手の持ち方はお箸の持ち方のお箸が1本になった状態と言えばわかりやすいかもしれません。
まず左手でスティック2本をお箸の持ち方そのままに持ってみて、人差し指と中指で挟んでいるほうのスティックを外して人差し指を軽くスティックに添えるだけです。
グリップエンドの4分の1から3分の1ぐらいのところを親指の付け根ではさんで、手首を横に回転させるようにスティックを振り上げてそのまま振り下ろします。
スティックの跳ね返り=リバウンドは手首の横回転と親指の付け根でコントロールするイメージです。
薬指とスティックが当たる位置なのですが、だいたい薬指の第一関節あたりです。
薬指とスティックの当たる位置は人によってそれぞれで、「第一関節と爪の付け根の間の人」や「第一関節と第二関節の間の人」もいるので、実際に練習してみてやりやすいポイントを見つけましょう。
この時に注意したいのはなるべく親指の先が下に向かないようにすることです。
親指の先が下に向くと効率よく手首が横方向に回りにくくなってしまいケガにもつながってしまうので気を付けましょう。
以上が基本の持ち方です!
結局どのグリップが良いの?
さてここまで4つのグリップについてご説明してきましたが、どのグリップにも良いところはあって、全部できることに越したことはないですが、ドラム初心者の方にグリップを教えるとしたら僕はこのグリップをオススメします。
初心者の方はアメリカン・グリップから!
僕がおすすめするのは「アメリカン・グリップ」です!
アメリカン・グリップの場合、叩いた後のスティックの跳ね返りがまっすぐになることのイメージがしやすいのでストロークを安定させやすいです。
加えて、手首への負担が少なくリラックスしやすいのでケガの防止にもつながると思います。
さらにアメリカン・グリップは手首と指を両方とも使うことができるので効率よくスティックを動かせるのと、アメリカン・グリップに慣れてくればそこからジャーマン・グリップ、フレンチ・グリップへの持ち換えもスムーズにいきやすいので、断然アメリカングリップをオススメします!
レギュラー・グリップは練習するべき?
さてオススメのグリップを説明しましたが、ここでちょっと触れておきたい話題があります。
ジャズドラムにおいてグリップの話をするときによく話題になるのが
ジャズを演奏するうえでレギュラー・グリップが一番適しているのか?
という問題です。
結論をズバッと言うと、「できるかできないかで言えばできたほうがいい」です。
そして、「レギュラー・グリップで叩きたいと本人が思わない限り練習しなくていい」です。
(”本人が”の部分が重要)
ジャズドラムで音楽を表現することで一番大事なのは当然、音であり、そこから生まれる音楽の内容や対話なので、見た目のカッコよさや見栄を張るためだけにレギュラー・グリップを練習するのは時間の無駄ですし、フォームを崩してしまうことになりかねません。
レギュラー・グリップでなくてもジャズドラムは叩けます。
「レギュラー・グリップじゃないと本物のジャズドラムはたたけない」とか言う人がいれば、そんな人は100%クソドラマーなので無視してください(笑)
自分の好きなドラマーがレギュラー・グリップで叩いていて、そのドラマーのように叩きたい!と思った瞬間が来ればその時からレギュラー・グリップの練習をしてみるといいかもしれません。
実際、レギュラー・グリップとマッチド・グリップは叩く時のスティックの角度や指の使い方など、違う点はたくさんあるのでサウンドにも違いが出ます。
(レギュラー・グリップの奏法については別記事で書くかもしれないです)
人から言われたことではなく、自分が思う好きなサウンドを出すために自分の好きなグリップでドラムを叩きましょう!
今回の記事はここまで!
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次回もお楽しみに!
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