僕はストレートを投げない。(ジャズドラムの話)

ジャズ

(タイトルからして想像ができないかもしれませんが一応ジャズドラムの話です)

 

先日、大塚にあるドンファンというジャズのお店にジャムセッションをしに行ってきました。

大塚ドンファンでは月に1回、大力セッションと称しジャズドラマーの原大力さんが顧問としてジャムセッションを開催して、学生や若手ミュージシャンを中心にセッションを朝5時まで繰り広げています。

(ちなみに僕も以前この大力セッションのホストを何回か務めさせていただいたことがあります)

 

遊びに行った昨日は大盛り上がりで集まったドラマーの数は僕を含めて10人という、自分の番がなかなか回ってこないぐらいの大人数だったのですが、ホストの方や遊びに来ているミュージシャンの方々が素晴らしくてずっと楽しめました。

僕以外の遊びに来ていたドラマーでプロの現場で活躍している方もいらっしゃって、その人たちの演奏も聞くんですけど、やっぱりうまいしかっこいい。

表面上はニコニコしながら聞いているんですけど内心では思いっきり「クソッ!」て思ってました笑

 

昔はうまい人たちの演奏をセッションで聞くと、嫉妬したりへこんだりして自分の演奏に悪い影響が出てしまっていたのですが、最近はいろいろあったからか普段通りの演奏ができるようになってきました。

その理由の一つに、ジャズっぽいドラムについてあまり考えなくなったからという点があります。

野球のピッチャーで例えるとストレートをあまり投げなくなった感じです。

(野球はたまに見るぐらいでそこまで詳しくはないんですけど、野球に例えながらジャズドラムについて考えていきたいと思います)

「ストレートアヘッド」は「本格派」

ジャズの中にもいろんなスタイルがあるのですが、その中に「straight ahead(ストレートアヘッド)」と呼ばれるものがあります。

このストレートアヘッドジャズというのは、ジャズの伝統を受け継いだ正統派なジャズをあらわすときによく使われます。

(対照的なのはコンテンポラリーとかフュージョンとかです)

そしてストレートアヘッドなジャズドラムというのは基本のビートをしっかりと押さえて丁寧で洗練されたドラムといったところしょうか。

動画はJoshua Redman Quartet – Straight Ahead

(Straight Ahead Jazzで検索したらでてきました笑)


ここで野球の話になるのですが、野球用語で「本格派」という言葉があります。

「本格派」というのはピッチャーに対して使われるのですが、球が速くコントロールや変化球も良くて、主にストレートを中心に試合全体を組み立てていくピッチャーに対して使われます。

その本格派ピッチャーのストレートだけを切り取ってもいろんなストレートがあったり、コントロールや持っている変化球が違ったり、一口に本格派のピッチャーだと言っても、その中にはいろんな要素が詰まっていて、ピッチャーによって様々です。

ジャズドラムでの正統派なビートを叩くことをストレートを投げることだとすると、ストレート中心に投げる「本格派」ピッチャーはジャズで言うとまさに「ストレートアヘッド」なドラマーです。

さらにジャズの曲全体を一試合だとして、試合の中でどのぐらいの割合でストレートを投げて変化球を織り交ぜていくかはドラマーによって個性が出ます。

それにコントロールが良いとなると女房役のキャッチャー=ベーシストも楽に試合運びをすることができます。

 

僕が大塚ドンファンで聞いたドラマーの人たちは本当にいいストレートを持ってました。

いいストレートを持っているからこそ、変化球も活きてきて、おまけにコントロールも良い。

まさに本格派。

 

僕はというと確実に本格派ではありません。

変化球中心で試合作りをする「軟投派」だと思います。

 

どうして「軟投派」になったのか

 

僕が軟投派になったのは、ひねくれた性格だからという理由が大きいのですが、それだけではなく本格派になろうとしてもなれないという理由もあります。

野球界で本格派投手がエースとなり人気を得るのと同じように、日本のジャズ界でもストレートアヘッドなドラマーが多くのミュージシャンやリスナーに好まれています。

上京したてで右も左もわからなかった頃、周りの期待に応えようと思って本格派を目指していた時期もありましたが、どうも自分の肌に合いませんでした。

自分の肌に合わないまま無理をした結果、ジャズを聞くのが嫌になりました。

そして2年ほどたってようやく本格派を捨てて軟投派なドラムが自分の中でなんとなく腑に落ちる瞬間があったので、気持ちがだいぶ楽になりジャズをまた聞くようになっていきました。

軟投派になると決めてからは無理して正統派なジャズのドラムを演奏しようとは思わなくなり、自分らしいドラムで自然に演奏できているような気がしてます。

 

それでもやっぱりストレートは大事

このようにして僕は変化球ばかり投げるようになったのですが、軟投派の今でもストレートを投げる機会はそこそこあって、投げるたびにストレートのかっこよさや重要さを思い知らされます。

ライブやセッションなどでも状況によっては変化球よりもストレートを投げたほうが確実に良い瞬間みたいなものがあって、その時はひねくれずにストレートを投げるようにしています。

昔よりかは良いストレートを投げれるようになった気がするのですが、ストレートに命かけてる人と比べてしまうと、やっぱり違うなと感じてしまいます。

なので僕はシンカーとかスローカーブとかをこれからも投げていきたいと思います。

ナックルとかも投げたいです。

オリジナル変化球とかも作ってみたいです。

 

最近はストレートも変化球もえげつないバケモノみたいなドラマーもいますが、僕は軟投派のままひっそり頑張っていきたいと思います。

 

ではでは。

 

P.S.巨人ファンです。

コメント

  1. 田中厚志 より:

    最近、もともとは、ロックを、やっていたのですが、山口県宇部市の、ジャズ喫茶BOBというところで、プロの、ジャズドラマーから、月に、1回、レッスンを、受けてます。
    ジャズ初心者として、このブログ、読んでいこうと思います。

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