ジャズドラムにおけるスティックの選び方(材質、サイズ、重さ編)

ジャズ

たまにはドラマーらしいブログを書いていこうと思います!

今回はドラマーの誰もが通るスティックの選び方です!

いろんなサイトでスティックについて紹介されていますが、ここではジャズドラムにおけるスティックの選び方について考えていきたいと思います。

ジャズといってもビックバンドジャズや電気楽器を加えたフュージョンなどいろいろなジャズがありますが、これから説明する「ジャズ」はアコースティックで小編成なコンボジャズにおけるスティックの選び方です!

普段コンボジャズをあまり演奏されない方が挑戦する際の参考になるかと思います。

早速本題へ行きましょう!!

スティックの材質

スティックを選ぶときにはじめはスティックの太さや長さなどから選びがちですが、個人的にはスティックの材質も重要だと思ってます。

ドラムスティックは一部例外を除いて木(wood)でできていますが、ジャズドラムにおけるスティックの木の材質はほぼ2択で「ヒッコリー」「メイプル」です。

まずはヒッコリーを軽くご説明。

初心者は迷わずヒッコリー

現在販売されているスティックのうち、おそらく7~8割ぐらいはヒッコリーで作られていて、残り2割がメイプル、0~1割がそれ以外の材質(オークなど)で作られています。

ヒッコリーは最もポピュラーな材質で、ヒッコリーのスティックを使ったことがないドラマーなんてこの世にいないんじゃないかってぐらいスタンダードです。

適度な重さと素直なスティックの跳ね返り(リバウンド)ドラムスティックと言えばヒッコリーと言ってもいいぐらいの材質です。

ジャンルにかかわらずドラム初心者は迷わずヒッコリーを選んでください!

スティックの基準的なものを知るということで大事だと思います。

で、メイプルについてなんですけど、ここから詳しく説明していきます。

メイプルのメリット・デメリット

メイプルはヒッコリーに比べて軽いです。

軽いと何が変わってくるのかというと音量が変わってきます。

音量はヒッコリーに比べると控えめで、小編成のジャズアンサンブルの中でも小さい音を楽にコントロールすることができるので、ドラム以外のあまり大きな音を出せない(出さない)楽器との音量バランスが自然に調節できると思います。

(もちろんプレイヤーの技量にもよりますが)

そして音量だけでなく全く同じ形のスティックでもヒッコリーとメイプルではサウンド自体も変化が出てきます。

ライドシンバルが特に顕著なのですがヒッコリーに比べてメイプルは明るくキラキラした柔らかいサウンドが出ます。

この魅力にひかれてメイプルのスティックを使っている人が多い印象です。

ジャズにおいてシンバルはビートの要となるので、シンバルのサウンドにこだわるのであれば、一度メイプルを試してみることを強くお勧めします。

※ヒッコリーとメイプルでライドシンバルのサウンドの違いを動画にしてみました!

控えめな音量と明るく柔らかいサウンドがメイプルの特徴なのですが、ヒッコリーと比べて軽い材質な分、デメリットもあります。

同じサイズのヒッコリーのスティックに比べるとスティックを振り下ろす感覚や、叩いた後の手への跳ね返り、いわゆるリバウンドの感触も、音量と同様控えめになってしまうので、手の中で動くスティックの動作や感覚が捉えづらくなってしまいます。

ヒッコリーのスティックの感覚に慣れてしまっている方がメイプルのスティックを使うと、メイプルの軽いふわふわした感触に戸惑ってしまうかもしれません。

普段、メイプルのスティックを使っているのですが、たまにヒッコリーのスティックを使ってみると、ヒッコリーの扱いやすさに気づかされるというか、使ってて楽だなーと思います。

「慣れの問題」と言ってしまえばそこまでなのですが、ドラムを叩くうえでスティックの動作を理解することは非常に大切だと思うので、メイプルのサウンドに惹かれることがなければヒッコリーを選んでおいて間違いはないと思います。

メイプルはすぐ折れる?

あとメイプルのほうが耐久性がない、すぐ折れてしまうという記事を何個か見たのですが、ジャズで普通の使い方をしていれば折れることなんてまずありえません。

ハードロックやメタルなど常に大きな音量が必要な曲だと細いスティックの場合ポキッと折れてしまうこともありますが、ヒッコリーでも折れるときは折れるので、ジャズというジャンルをやるのであれば折れてしまう心配はあまりしなくて良いと思います。

それでもよくスティックを折ってしまうという方はスティックの扱い方を見直したほうが良いと思われます。

しかし、ヒッコリー、メイプルともにスティックは使用経過によって状態(特にチップ)が変化してサウンドにも変化が起こるのですが、メイプルのほうが変化がすこし速いかもしれないです。

全く同じスティックで新品のスティックとしばらく使ったスティックの2つでライドシンバルを叩き比べてみると違いがわかりやすいと思います。

新品のスティックのほうが音の立ち上がりが早く、音量も出るのですが、しばらく使ったスティックは音の立ち上がりが柔らかくなり、音量も少し小さくなります。

新品のスティックのサウンドが好きな人もいれば、しばらく使ったスティックのサウンドが好きな人もいるので、メイプルの耐久性に関していえば一口にデメリットだとは言い切れないと思います。

最後にスティックの材質についてまとめると、

しっかりとしたサウンド、スティックの動作やリバウンドを優先していくのであればヒッコリー明るく柔らかいサウンドと控えめな音量を好むのであればメイプル

この選び方で大丈夫だと思います!!

スティックのサイズ

続きましてスティックのサイズについてです!

基本的に皆さんのご想像通りだと思うのですが、「太い・長い・重い」スティックのほうが音量を出しやすく、「細い・短い・軽い」スティックのほうが小さい音のコントロールがしやすいです。

スティックのサイズを説明するにあたって、各メーカーのほとんどが販売していて、サイズもほぼ共通している「5A」と「7A」という規格サイズがあるので説明していきます。

標準サイズな「5A」

まず「5A」は全ジャンル共通での標準的なサイズです。

Vic Firthの「5A」のサイズを見てみると

直径14.4mm、長さ406.4mm

というサイズです。

同じ5Aでも各メーカーで0.1~0.5mmぐらい変わってきますがほとんどが同じサイズでできています。

5Aはまさにドラム初心者にオススメできるスティックで、リバウンドの感触がとても自然でめちゃくちゃ使いやすいスティックです。

じゃあこの世界基準サイズである5Aをジャズでも使えばいいんじゃないかと聞かれると必ずしもそうではなく、たとえば材質がヒッコリーの5Aを小編成のジャズで使うと、必要以上の音量が出てしまいがちになります。

そのようなサウンドを狙って使っているのであれば話は別ですが、不用意に音量を出しすぎてしまう事は他の共演者のサウンドをかき消すことになってしまうので、あまりオススメできません。

では、もう一つのサイズ「7A」についても説明します。

コンパクトな「7A」

こちらもVic Firthの「7A」のサイズを見てみましょう。

直径13.7mm、長さ393.7mm

「7A」は「5A」と比べると、細く、そして短いスティックになっています。

7Aのスティックのリバウンドも自然で使いやすく、手の小さい方でも扱いやすいサイズになっています。

5Aだと音量が出すぎてしまうところを、7Aの場合は5Aよりも小さい音量で演奏することができるので、どちらかというと5Aよりは7Aのほうがコンボジャズ向きであると思われます。

そうか、じゃあジャズドラマーなら7Aを使えばいいのかと聞かれると、こちらも必ずしもそうではなく、7Aの直径13.7mmはいいのですが、393.7mmという長さは各メーカーのスティックの中でも最短クラスで使う人によっては好みが分かれてしまいます。

手のサイズにもよるのですが、短すぎるとスティックの持てる部分が小さくなってしまうので、逆に扱いづらくなってしまう場合もあるようです。

(ちなみに僕は7Aのサイズやリバウンド感は好きで現在も7Aを使っています。手の大きさは手首のしわから手の先までが183mmぐらいです。普通ぐらい?)

それに多少スティックが長くてもリバウンドの感覚は変化しますが、持つ部分を変えることで調節できますし、スティックの持てる部分が多いほうが難易度は上がりますが表現の幅が広がるとも言えます。

サイズは基準を決めてから

「5A」と「7A」の2つの標準的なサイズを紹介しましたが、初めはこのサイズを基準にして自分好みのスティックを探していくのがいいと思います。

次に使うスティックが決まったら、そのスティックを基準に違うスティックを探していくことを繰り返してお気に入りのスティックを見つけましょう。

ですが、材質がヒッコリーのスティックを使う際は音量が大きくなりがちなので、5A以上に太く長いスティックを使うのはコンボジャズではあまりオススメできません。

基本的に太さは14.5mmぐらいまでで、長さは410mmぐらいまでがジャズドラムで扱いやすいスティックの限度ではないかと思います。

どうしても使いたい場合は、「メイプルのスティックを使う」「チップが小さいものを使う」「スティックコントロール力を磨く」などの対策をしたほうがいいと思います。

スティックの重さ

重さですが、スティックはサイズだけでなく木の密度の違いでも重さが変わってきます。

つまり同じメーカー、同じサイズのスティックでも個体差が生じます。

同じスティックでも重さが重いほど大きい音が出て、軽いほど小さい音が出ます。

ここまでは当然なのですが、木の密度が高いと同じスティックでも音程(ピッチ)が変わります。

重さ、木の密度、音程の関係

スティックは同じサイズでも重い(=木の密度が高い)ほど高いピッチが出て、軽い(=木の密度が低い)ほど低いピッチが出ます。

近くにスティック用の計りが置いてあれば重さをはかってみるのもいいと思います。

もし計りが置いてなければ、スティックを持ち比べてみたり、スティック売り場の近くの練習用パッドで何本か同じスティックを試奏してみて叩く音をよく聞いてみることでスティックのピッチの違い(=木の密度の違い)がわかると思います。

音量が欲しい方は重いスティックを、控えめな音量が良い方は軽いスティックを選びましょう。

(正直、スティックの重さやピッチにまでこだわりだすと同じスティックを箱買いして選別するしかなくなってくるので、お金に余裕がない限りは何本か試してみて、重いほうか軽いほうか好きなほうを選んでいくのがいいと思います。)

(重さよりスティックのサイズやチップのほうが大事なのでそこまで気にしなくて大丈夫だと思います。)

ここまで、スティックの材質とサイズ、重さについてご説明していきましたが、他にもチップの形状や重心の位置などまだまだ違う点はありますので、次回の記事で説明していきたいと思います!

今回の記事はここまで!

現在、個人レッスンの生徒さんを募集しています!
詳細はこちらから!

後編はこちら!!

→後編へ行く

コメント

  1. […] (前編はこちら!) […]

タイトルとURLをコピーしました