「ゼロから始めるジャズドラム」スウィング、4ビート、シンバルレガート(ミディアムテンポ)編

ジャズ

さて!
「ゼロから始めるジャズドラム」ついにジャズのビートを叩きます!
今回のテーマはジャズの基本中の基本、スウィング、4ビート(フォービート)です!
ジャズのジャムセッションで演奏される、スタンダード曲のほとんどがスウィングの曲です!
ここは手を抜かずに、しっかりと身に着けていきましょう!

4ビートの基本

普段、私たちが良く耳にするロックやポップスなどのジャンルでは、バスドラムとスネアドラムがビートの中心となる8ビートや16ビートなのですが、ジャズで演奏される4ビートの中心となる楽器はライドシンバルです。スネアドラムやバスドラムはアクセントやフィルインなどに使われることが多いです。

ここでジャズの基本的なリズムの楽譜を書いてみたので見てみましょう!

テンポはだいたい120ぐらいです!(2拍でちょうど1秒の速さ)

(手書きでちょっと見にくいかもしれませんがご了承ください、、、)

上側の×のマークの音符がライドシンバルで、下側の×の音符がハイハットです。
ハイハットはスティックで叩くのではなく、ハイハットペダルを踏んで音を出します。

譜面上部の左側の記号、4分音符=120というのはBPM(テンポの速さ)を表しています。

その右側の記号は譜面上でのスウィング感を表すときに書かれる記号なのですが、「8分音符2つは、このように演奏してください」という指定のようなものです。(実際の演奏の場ではこのような指示をすることなんてめったに無いですが、譜面で無理やり書こうとするとこうなります)
この指示に従うと、8分音符2つは三連符の1つ目と3つ目を叩くようにして演奏するということになります。

(ちなみにこの指示記号が=ではなく≒にしてあるのにはわけがあります、、、)
(初心者の方はあまり気にしなくて大丈夫です、、、)

このシンバルからなる4ビートの基本的なリズムをシンバルレガートといいます。
ジャズドラムでは基本中の基本です!

このほかにもライドシンバルを叩くかわりにハイハットシンバルを使ってシンバルレガートを叩くこともあるのですが、その楽譜はこちらです。

今度は×の音符の上に「〇」と「+」のマークが書き足されていますが、これはハイハットのオープンとクローズの違いです。〇はオープン、+はクローズです。(たまにオープンとクローズが逆になってる譜面を見たりしますが、正しくはこちらです!)
ライドシンバルでシンバルレガートを叩いていたときに、2拍目と4拍目でハイハットペダルを踏んでハイハットの音を鳴らしていましたが、こちらの譜面でもハイハットペダルを踏む音符が書かれています。
ちょうど上側の音符のハイハットの「〇」と「+」、つまりオープンとクローズのタイミングと2拍目と4拍目のハイハットペダルを踏むタイミングがバッチリ合ってますね。

ハイハットのシンバルレガートはハイハットの開き具合によって音を調節するのですが、ジャズのビートでは極端にハイハットを開いて演奏されることはあまりなく、少しハイハットペダルの踏む力を弱くして半開きにするハーフオープンで演奏されることが多いです。(ちなみに、この譜面ではハイハットを開け閉めするように書かれていますが、ハイハットを全く開かず、常に閉じた状態で演奏するときもあります!)

ハイハットの使い方や音の違いは好みの問題もあるので一概には言えませんが、叩き方やハイハットペダルの踏み方を研究して、いろんな叩き方ができるようになると良いでしょう!

シンバルレガートを口(くち)ドラムで言うと?

スウィングや4ビートで利用されるシンバルのリズム、シンバルレガートこのシンバルレガートがうまくできるかどうかで、ジャズドラマーの良し悪しがわかるといっても過言ではないです。

ところで、このシンバルレガートを口で表現するときに、私たちに日本人は「チンチキ、チンチキ」とか、「チーチキ、チーチキ」 と言ったりします。ジャズドラムを少し演奏したことがある方なら聞いたことがあるフレーズではないでしょうか?

実はこの「チンチキ」とか「チーチキ」とか言う表現の仕方、シンバルレガートを演奏するにあたってはあまりオススメしない表現の仕方です「チンチキ」という言葉のイントネーションやアクセントのまま実際にシンバルレガートを演奏してみても、おそらくカッコいいシンバルレガートにはならないと思います。
日本の祭囃子のようで、少しマヌケなシンバルレガートになってしまい、このままではバンドをスウィングさせることはできません。

では、「チンチキ」ではない、かっこいいシンバルレガートができるようになるフレーズはあるのかというと、

あります。

ニューヨークのジャズシーンの第一線で活躍しているドラマー、Gregory Hutchinson氏のクリニックの動画で、彼はシンバルレガートを「Walk the dog」と言いながら叩いてます。
(1:35~シンバルレガートの説明が始まります)
(英語です)

クリニックに来た人たちに「Walk the dog」と繰り返し発音させて、その上でシンバルレガートを演奏したGregory氏は、「ほら、スウィングしてるでしょ?」と説明しています。

「チンチキ」「Walk the dog」の明らかに違っている点は、「チンチキ」が1小節の中の1拍目からシンバルレガートがスタートしているのに対し、「Walk the dog」は2拍目からシンバルレガートがスタートしているところです。

さらに「チンチキ」よりも「Walk the dog」のほうが、シンバルを叩いた時の1打1打の音の長さをしっかり感じることができるところも優れています。
どういうことかというと、「チンチキ」は2拍目、4拍目の音符(楽譜で言うところの3連符2つ分)を「チ」という発音だけで表現していることに対して、「Walk the dog」は「ウォーク(ワーク)」と多くの発音が必要になるということです。

一つの音符に対して、多くのリズムやイントネーションを含めさせ、音の長さを感じ、一つ一つの音の価値を高めるということは非常に大切なことです。

実際にシンバルレガートを練習するときは、ゆっくりなテンポから始めて、「チンチキ」ではなく「Walk the dog」で練習しましょう!

四分音符を大切に

先ほどのシンバルレガートの「チンチキ」と「Walk the dog」の違いで、レガートの始まる位置が「チンチキ」が1拍目で始まるのに対して、「Walk the dog」が2拍目から始まる点に触れました。

「ジャズは裏拍、つまり2拍目4拍目でリズムをとる音楽だ。」

という考え方はいろんな所で言われていて、プレイヤーでない方でも聞いたことがある方は結構いるかと思います。

この考え方は僕も概ね同意しているのですが、この考え方にとらわれすぎるのは良くないと思っています。

2拍目、4拍目の裏拍を大切にするのは当たり前なのですが、それで1拍目と3拍目が疎かになってしまっては元も子もありません!
正確に裏拍を叩いてたとしても、表拍がぶれてしまうと正確に叩いていたはずの裏拍も意味がなくなります。

あくまで、4ビートの4(four)は4分音符の4なので表拍裏拍のどちらも、つまり4分音符の全てを大切にすべきです。

シンバルレガートの練習をする際も裏拍だけに意識を集中させるのではなく、

メトロノームでゆっくりのテンポ(BPM=100 ぐらい)からライドシンバルの4分音符だけを演奏して、1〜4拍目のすべてがメトロノームと合うようになってきたら、ハイハットペダルの2拍目4拍目を加えて、それも慣れてきたらの八分音符の裏の音符(「Walk the dog」の「the」の部分)も付け足して叩くようにするという練習方法がおすすめです。

メトロノームの練習に飽きてきたら、自分が好きなジャズのアーティスト、ドラマーの音源と一緒にシンバルレガートだけを叩いてみるのも良いと思います。
実際の演奏と一緒に練習するのもとてもいい練習になります!

どの練習方法にせよ、2拍目4拍目だけでなく、4分音符すべてを意識するということを忘れずに練習しましょう!

2拍目と4拍目のアクセントは必要?

ここで先ほどのシンバルレガートの譜面に戻るのですが、この譜面ではどの音符にもアクセントなどはつけていません。

他のドラムレッスンのブログや動画などでは2拍目と4拍目にアクセントが書かれているものなどがありますが、個人的にはアクセントは無理につけなくていいと思います。

先ほども書いた通り表裏関係なく4分音符が大切なのでアクセントを付け足すことでシンバルレガートがブレてしまうようではいけません。

しかし2拍目4拍目のアクセントをつけることでシンバルレガートの表情を変えることができるので、できるように練習はするべきだと思います。

ではアクセントをつけたほうが良いシンバルレガートなのかと聞かれると、これも好みの問題で、裏拍にアクセントがあるレガート、アクセントがないレガート、どちらにも違った良さがあります。

アクセントを付けるかどうかは、好きなドラマーの演奏を参考にしてみたり、ジャムセッションなどで実際に演奏してみたりして、いろいろ試していきましょう!

まとめ

さてここまでが4ビート、シンバルレガートの基本です!

最後にポイントをまとめると、

シンバルレガートを練習するときは「チンチキ」ではなく「Walk the dog」

4ビートは4分音符の音楽!裏拍表拍どちらも大切に!

4分音符のシンバルレガートが安定してきたらいろんなシンバルレガートを試してみる

この3つです!

実際の演奏ではさらにスネアドラムやバスドラムなどが重なって、みなさんが想像されるようなジャズドラムっぽくなってくるのですが、ちゃんとジャズをやりたいのであればシンバルレガートは避けて通れません。サボらず、ちょっとずつ、他の練習と並行しながらでもいいので、しっかりと身につけていきましょう!

今回の記事はここまで!

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次回もお楽しみに!

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