ジャズドラムにおけるスティックの選び方(チップ、重心編)&オススメスティック

ジャズ

前回の記事に引き続きスティックの選び方についてです!!

(前編はこちら!)

今回はチップ、スティックの重心について説明していきたいと思います!

加えて、個人的にオススメするコンボジャズで使いやすいスティックを紹介していきたいと思います!

チップ

まずチップとはスティックの先の部分です。

楽器に直接触れる部分でもあるのでこだわっていきたいところです。

ではチップの形の紹介に入る前に、チップの大きさについてご説明します。

チップの大きさ

スティックのサイズと同じように、チップも大きさによって音量が変化します。

大きければ大きい音に、小さければ小さい音になります。

ここで選ぶときに気を付けたいのが、スティックの太さとチップの大きさの差です。

スティックが太くても小さいチップであれば、小さな音のコントロールができてなおかつ、大きい音量も簡単に出すことができます。

しかし、表現の幅が広がるということはスティックコントロールが難しくなるということなので腕に自信のある方は使ってみましょう!

(逆にチップが大きくて細いスティックはあんまり見たことがないです。)

チップの形状

次にチップの形状です!

各メーカーからいろんな形のチップのスティックが発売されていますが、代表的なものを上げると、

ラウンド(ボール、丸)型

バレル(四角、樽)型

オーバル(たまご、楕円)型

ティアドロップ(円錐、エーコーン、アロー)型

大きく分けてこの四つに分けられると思います。

(呼び方がいろいろありすぎて調べるのに少し時間がかかりました・・・)

チップの形は叩く角度で打面に触れる面積が変わってくるので、表現の幅が広がります。

ティアドロップ型>オーバル型>バレル型>ラウンド型

この順で角度をつけるほどサウンドに違いが出るので、角度を変えていろんなサウンドが欲しい方はティアドロップ型やオーバル型、均一的なサウンドを好む方はラウンド型やバレル型を選びましょう。

形状による音量の変化に関してですが、チップの形状よりもスティック自体の材質、サイズ、チップの大きさに由来する部分が大きいのであまり気にする必要はないです。

ではジャズドラムに適しているチップはどれかというと、どのチップでもいいです。

均一的な音が出るチップ、いろんなサウンドが出るチップ、どちらにもいいところはあります!

ここまでくると好みでしかないので、好きなのを選びましょう!

ナイロンチップってどうなの?

チップを紹介するにあたってもう一つ触れておかないといけないやつがいまして、それがナイロンチップです。

ナイロンチップとはその名の通り、チップがナイロン(プラスチック)でできているスティックです。

楽器に直接触れる部分が木ではなくなるのでサウンドに大きな変化が出ます。

ナイロンチップのほうが音の立ち上がり(アタック)が強くなり、ナイロンチップ独特のサウンドが出ます。

特にシンバル系は音がカチカチしたような印象になり、ウッドチップとはだいぶ違って聞こえます。

サウンドの違いに加え、ナイロンチップは耐久性が上がり、チップの一部が欠けてしまったりすることがないのでスティック自体が折れない限りは長く使い続けることができます。

ナイロンチップはジャズに適しているかどうかは賛否両論あって、ナイロン独特のアタック感は耳に痛くなってしまうのでは?という意見の人もいると思いますが、僕は全然使っていいと思います。

何の考えもなしにナイロンチップを使うのはどうかと思いますが、ナイロンチップでしか出せない音はあるので、そこに魅力を感じる方は絶対に使うべきです。

まずは食わず嫌いせずに、ナイロンチップを一度試してみてみることをオススメします!

(僕も何年かぶりに使ってみて、印象がだいぶ変わりました!)

重心やバランスの違い(テーパー)

スティックには重心があり、その位置によってスティックの振り心地や、リバウンドの感触が変わってきます。

同じ長さ、同じ太さでもスティックのテーパーの違いによって重心やバランスは変わります。

ここでテーパーについてご説明します。

テーパー=チップに向かって細くなっていく部分

テーパーとはスティックのチップに向かって細くなっていく部分やその勾配のことで、このテーパーの部分がスティックによって長かったり短かったりします。(ショルダーとも言います。)

このテーパーの長短でスティックの重心の位置が変わり、スティックのストロークやリバウンドに影響が出ます。

テーパーが長いと木が先端に向かって多く削られていることになり、重心が手元のグリップエンドのほうに寄っていき、テーパーが短いと木の削られている量が少ないということなので、重心が先端のほうに寄っていきます。

テーパーが長いものはコントロール型で、ストロークが軽くなり、リバウンドはゆっくり柔らかく跳ね返る感じになります。

対してテーパーが短い物はパワー型で、ストロークが重くなり、リバウンドは早く強めに跳ね返る感じです。

ここまでこだわってスティックを選んでいる方はなかなかいないと思いますが、これも好みの問題でしかないです。

それにテーパーの長さを見るのではなく、実際に楽器屋さんに行ってスティックを試奏してみるのが一番早いです!

試奏してリバウンドの感触を確かめて、自分に合ったスティックを選びましょう!

ジャズ向きオススメスティック

最後に僕が個人的に選んだ、コンボジャズに向いているオススメのスティックを紹介したいと思います!

VicFirthとVaterから4組ずつ、合計8組選んでみました!

もちろんこれ以外にもたくさん良いスティックはあるのでいっぱい試してみてください!

あくまで参考程度にどうぞ!

VicFirthオススメ4選

皆さんおなじみスティックシェア世界No.1のVic Firth(ビック・ファース)。

VicFirthのない楽器屋なんてありえません。

American Custom SD4 Combo

材質 メイプル
長さ 15 7/8 (40.32cm)
直径 0.545″ (1.38cm)
チップ バレル型
メーカーサイト

その名もズバリ、コンボ。コンボジャズで使いやすいサイズ感です。

材質はメイプルで小さめのバレルチップ。

ストロークが多少大きくなっても、音量バランスを崩さない上品なスティックだと思います。

American Custom SD2 Bolero

材質メイプル
長さ 15 3/4 (40.01cm)
直径 0.635″ (1.61cm)
チップ ラウンド型
メーカーサイト

だいぶ太めのスティックですが、材質はメイプルで極小のラウンドチップです。

細やかなシンバルサウンドと太いタムのサウンドが両立できる上級者向けのスティックです。

American Jazz AJ3

材質 ヒッコリー
長さ 16″ (40.64cm)
直径 0.545″ (1.38cm)
チップ ティアドロップ型
メーカーサイト

5Aとおなじ長さで、直径が7Aよりほんの少し太いこちらのサイズ。

テーパーが長めで柔らかいリバウンドが特徴。

材質がヒッコリーで小さめのティアドロップ型チップです。

Signature Series Peter Erskine Model

材質 ヒッコリー
長さ 16″ (40.64cm)
直径 0.525″ (1.33cm)
チップ ラウンド型
メーカーサイト

7Aよりも細めのスティックをお探しならPeter Erskineモデルもおすすめ。

材質はヒッコリーで長さは5Aと同じ40.64cm。チップはラウンド型。

Vaterオススメ4選

Vic Firthに負けず劣らずの人気と品質を誇る、Vater(ベーター)。

メイプルのスティックも豊富にあるのが個人的にポイント高いです。

Manhattan 7A (Sugar Maple 7A)

材質 ヒッコリー、メイプル
長さ 16″ (40.64cm)
太さ 0.540″ (1.37cm)
チップ ラウンド型 (ナイロンチップのものはオーバル型)
メーカーサイト

7Aの太さはそのままに、5Aの長さになったモデルでチップはラウンド型。

チップがナイロンのモデルもあり、そちらはオーバル型。

ヒッコリー、メイプル、どちらもあるので両方ともオススメ。

Sweet Ride (Sugar Maple Sweet Ride)

材質 ヒッコリー、メイプル
長さ 16″ (40.64cm)
太さ 0.530″ (1.35cm)
チップ ラウンド型
メーカーサイト

Manhattan 7Aよりさらに細くなったモデル。

小さめのラウンドチップで繊細な音が出せます。

こちらもヒッコリー、メイプル、両バージョンあり。

Swing

材質 ヒッコリー
長さ 16″ (40.64cm)
太さ 0.535″ (1.36cm)
チップ オーバル型
メーカーサイト

7Aより若干細く、長さは5Aとおなじ16インチ。

テーパー部分にこだわられたスティックで重心が若干前のほうにあり、繊細で素早いリバウンドが持ち味。

ナイロンチップのものもあります。

Super Jazz (Sugar Maple Super Jazz)

材質 ヒッコリー、メイプル
長さ 16 1/4″ (41.27cm)
太さ 0.555″ (1.41cm)
チップ ティアドロップ型
メーカーサイト

5Aを少し長く、細くしたモデル。

チップがオーバルに近いティアドロップ型でサウンドに変化をつけやすくなってます。

こちらもヒッコリー、メイプル、両バージョンあり。

まとめ

コンボジャズ向きのスティックについていろいろとご説明してきましたが、いかがでしたでしょうか?

他のジャンルより、音量はそこまで必要ではないので紹介したオススメスティックも基本的に細めのものが多くなりました。

それと、メイプルについてはしっかり説明しましたが、使ったことがない方は是非一度使ってみてください!

最後に、ここまで読んでも何を選べばいいかわからない方はとりあえず楽器屋行きましょう。

スティックのブログ記事を読むより、自分で試したほうが速いです。

実際にシンバルやスネアを叩いて試してみたいなら、友達の使っているスティックを借りて叩いてみるとかしてください。

お付き合いいただきありがとうございました!

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ではでは!

コメント

  1. […] →後編へ行く […]

  2. […] (以前のスティックの選び方に関する記事はこちら→前編&後編) […]

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